「古今和歌集仮名序」紀貫之
「やまと歌は人の心をたねとして、よろづの言(こと)の葉とぞなれりける。
・・・
力をも入れずして、あめつちを動かし、
目に見えぬ鬼神(おにがみ)をもあはれと
思はせ、男女(おとこおんな)のなかをも
やはらげ、猛(たけ)きもののふの心をも
なぐさむるは、歌なり。」 Comments Off
31才で右目失明、64才で左目も失明、
12年後、死亡。
オイラーは無限個の数の合計を求める、無限級数
の問題が大好きだった。
1+2+3+4+5+・・・・・・=-1/12
無限に数を足してその合計がマイナス十二分の一??
この値は、素数と関係する「ゼータ関数」と呼ば
れる特別な関数の性質を使うと出る!らしい。
文献院古道漱石居士(夏目漱石)
露伴(幸田露伴)
懿文院龍之介日崇居士(芥川龍之介)
彰武院文艦公威居士(三島由紀夫)
伯藝院殿覚圓蟲聖大居士(手塚治虫)
風々院風々風々居士(山田風太郎:生前に自ら定めた戒名)
大佛次郎居士(大佛次郎)
勝満 (聖武天皇)
国泰裕松院殿霊山俊龍大居士(豊臣秀吉)
惣見院殿贈大相国一品泰巖尊儀(織田信長)
東照大権現安国院殿徳蓮社崇誉道和大居士(徳川家康)
新免武蔵居士(宮本武蔵)
融仙院良岳寿感禅定門(石川五右衛門 )
智見霊雄(平賀源内)
(注:戒名とは、漢字2文字であとは飾り)
菊池寛、永井荷風は、戒名を拒否。
(藤原正彦「この国のけじめ」)
Comments Off「この青年がどうやら有史以来の将棋の天
才らしいということが、おぼろげながらわ
かってきた。
ただ強いというだけではなく、何かこれま
での棋士と根本的に違う何かを発見した人
らしいということがわかってきた。」
(柳瀬尚紀)
「将棋は、一つの局面でだいたい100通
りぐらいの可能性があるのですが、その局
面で二、三通りの手を選ぶんです。残りの
90%以上は読まないで
捨ててしまうわけです。」(羽生)
「将棋の可能盤面数は10の30乗」(金出)
「優劣がはっきりしている場面は、時間を
かければ必ず最善手は見つかるのです。も
ちろん、一時間とか二時間というのではな
く何週間という単位で考えてのことですが。」
(羽生)
「経験を積むと、・・・経験や記憶の中か
ら、これを引き出して考えるという形にな
りがちです。
そればかりを繰り返していると、何か新し
い形とか、見たことがない形がパッと出現
したときに、すぐに適応できないというか、
パニックとまではいかないけれども、すぐ
にその状況についていけないということが、
プロでも起こり得るのです。
だから、いくら情報化が進んだり、ハード
が進歩したとしても、もう一回、一からき
ちんと考えなければいけなくなるだろう、
ということを最近よく考えるのです。」
(羽生)
「カスパロフが世界選手権を戦ったときの
様子を見て、いいアイデアを一つ思いつい
たのです。そのアイデアが正しいかどうか
をコンピュータに考えさせて完成し、勝負
に使って勝ったことがあるのです。アイデ
アを考え出したのは、たしかに私ですが、
かなりの部分はコンピュータの助けを借り
ています。
はたして、これは私の新手といえるのかど
うか。」
ベートーヴェンは好きですか?と聞かれて
「わたしはあんまり・・・・」(羽生)
バッハとどちらがお好きですか?
「バッハの方がいいですね。」(羽生)
「定跡からビジョンへ」
天才は、全て、芸術家なり!
<無限感とは芸術なり>
「将棋を指していると、「これって
きっと終わりはないだろうな」と思
うことがあるのです。どんなもので
もいずれはなくなりますよね。
しかし、将棋という、なくならない
ものを見つけたという感じです。
そして、もし私が無限に生きられる
としても、今のように、将棋につい
てわからないままの状態が続くだろ
うと確信できるのです。」
<これがプロです>
「一時間ぐらい考えれば、五百手、
千手、二千手・・・と読むことがで
きると思います。」
<実践の常識>
「意外に思われるかもしれませんが、
プロの棋士でも先を見通して指して
いることは非常に少ないのです。
実は、プロの集まりの時に。「実践
で、進行する十手先の局面を想定す
ることができるか?」と話題になった
のですが、「できない」ということで
一致したのです。」
「決断力」(1)
将棋界で最も権威ある「名人」が誕生したの
が1612(慶長17)年。
以来400年、「名人」の地位を得た人は25人。
羽生氏は1994年、名人米長邦雄を破って「名
人」となる、23歳。
2年後には、名人、竜王、棋聖、王位、王座、
棋王、王将の7冠を将棋界始まって以来初の
独占を果たす。
<ギリギリと確実性>
「勝つのは一点差でいい。五点も十点も大差
をつけて勝つ必要はない。常にギリギリの勝
ちを目ざしているほうがむしろ確実性が高く
なると思っている。」
<強さと信用>
「最近、こんな本を読んだことがある。投機
を仕事にしている人の話である。何万人、何
十万人という人たちが投機をしているが、ト
ップレベルの人間は、他の人たちと何が違う
かというと、仲間からの信用度が違うという
のである。つまり、「その人だったら、こう
するだろう」という信用があるというのだ。
将棋にかぎらず、勝負の世界では、多くの人
たちに、どれだけ信用されているか、風を送
ってもらうかは、戦っていくうえでの大きな
ファクターであり、パワーを引き出してくれ
る源である。」
「決断力」(2)
<プロの棋士でも、十手先の局面を想定する
ことはできない>
「1時間ぐらい考えれば、五百手と千手、二
千手と読むことができる。しかし、そのくら
い読めたとしても、実際の対局では、いつも、
それだけの数の指し手を読んではいないし、
状況を理解するには少なすぎる。」
<人間の本質とは>
「判断のための情報が増えるほど正しい決断
ができるようになるかというと、必ずしもそ
うはいかない。私はそこに将棋のおもしろさ
の一つがあると思っている・・・・
私は、将棋を通して、そういう人間の本質に
迫ることができればいいな、と思っている。」
<最強の棋士>
「将棋史上最強の棋士が十五世名人の大山康
晴先生であることは、誰もが認めるであろう。
・・・私は十八歳のときに初めて対局したが、
・・・ハッキリいって、大山先生は盤面を見
ていない。読んでいないのだ。
私は先生に十局ほど教わったが、脇で見てい
ても読んでいないのがわかる。読んではいな
いが、手がいいところにいく。自然に手が伸
びている。それがもうピッタリといった感じだ。
まさに名人芸そのものであった。」
「決断力」(3)
文学もアートも”拡散”している・・・
<最先端の将棋は、集中から拡散へと進歩している>
現在、対局の三割に矢倉という戦法が使われ
ているが「あと二十年たったら、おそらくこ
の矢倉という戦法は流行っていないのではな
いかという気がする。」
「最近の特徴は、一つの形だけでなく、十個
とか十五個とか、二十個という数多くの形が
同時並行的に研究され、進歩している。つま
り、今、最前線の将棋は、拡散的進歩の大きな渦
の中にあるといえよう。
一つの形であれば、それを理解し、その先端
を行くことは可能だが、数が増えてくると、
すべてを理解するのは不可能だ。
将棋のプロといっても、その一つ一つについ
て細かく研究し、全部がわかっている人は誰
もいないのが現状だ。ある部分に関しては詳
しく知っているが、ある部分に関しては何も
しらない、そういう事態が起きている。・・・
ある特定の戦型については、奨励会の子のほ
うがプロよりエキスパートだということはあ
り得る。そういうことが別に不思議ではなく
なってきている。ある戦型についてはアマチ
ュアの人が一番詳しいということも実際にあ
る。」
「拡散的進歩が続くと、これからは、最新の
情報にこだわっていく棋士と、ゴーイングマ
イウェイで独自にやっていく棋士の二極化が
ますます進むのではないだろうか。」
「決断力」(4)
<集中力だけをとりだして養うことはできない>
「深い集中力を得られるかどうかは、私の場
合は、将棋を指していて、面白いと感じられ
るかどうかによる。・・・だから、私は、ど
んなことでも、興味が続く限り集中力は続く
ものだと思っている。」
<私が対戦する相手はいつも絶好調>
「勢いのある人と対戦していると、そのとき
は大変でも、それをきっかけに自分の調子が
上向きになったりするのだ。気持ちが前向き
になると、調子も変わってくる。恵まれてい
るなと思っている。」
<色紙>
「最近、私は色紙を頼まれると、「玲瓏(れ
いろう)」とよく書く。・・・昔は「決断」
「一歩千金」という言葉を使ったが、
最近は、この「玲瓏」と「克己復礼」の二つ
を書くことが多い。」
注:「八面玲瓏」からとったもの(羽生)
以下、広辞苑では
「玲瓏」
1 金属や玉などが美しいさえた音をたてる
さま。また、音声の澄んで響くさま。
2 玉などが透き通り曇りのないさま。
「八面玲瓏」
1 どの方面から見ても、美しく透き通って
いること。
2 心中に少しのくもりもなく、わだかまり
のないさま。
「決断力」(5)完
<「名人伝」>
「中島敦の「名人伝」に、二人の弓の名人が
・・・・
いつか、そんな名人の心境で将棋を指してみ
たいという思いもあるが、そういう心境には
一生かかってもとても到達できないだろう。」
<人生を豊かにするポイント>
「私は、将棋を指す楽しみの一つは、自分自身
の存在を確認できることだと思っている。・・・・
私は、年齢にかかわらず、常に、その時、その
時でベストを尽くせる、そういう環境に身を置
いている—-それが自分の人生を豊かにする最
大のポイントだと思っている。」
<昔の棋士が今の棋士と対戦したら>
「現代の棋士のほうが圧倒的に強いと断言できる。
・・・・
たとえ升田先生(升田幸三)であっても、先生
が現代に姿を現し、今のプロ棋士と対戦したら、
それが初めての対戦ということであれば、残念
ながら戦いにならない。力をまったく発揮でき
ずに一瞬で勝負がついてしまうだろう。」
<対局数は名人の証>
「私が、これまで最も多く対戦している棋士が
谷川浩司さんだ。
・・・これまで百五十局近く対戦している。
通算対局で最も多いのは、中原誠ー米長邦雄戦
の百八十三局で、二位は大山康晴ー升田幸三戦
の百六十七局(大山96勝70敗1持将棋)である。」
<才能>
「以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思って
いた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同
じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと
思っている。」
「高貴なる敗北」
-日本史の悲劇の英雄たち-
昭和56年中央公論社
美しい日本人は一体何処にいった
のだろうか?「高貴なる敗北」に
描かれる悲劇の英雄たちを現代の
日本人は、果たしてどれだけ美し
いと感じ取れるだろうか?
「三島が崇拝していた人物とは、
成功者ではなかった。現実社会に
対して偉業をうち立てた人々では
なかった。・・・たとえば、大塩
平八郎のような人物であった。」
西洋では成功者を崇めている。没落
は汚点である。しかし、日本では挫
折した英雄を特にひいき目でみる性
質がある。
「この世の成功を手に入れるには、
一般にさまざまな術策、妥協を必要
とするが、日本では成功のための
いっさいの謀計をいさぎよしとしな
い。ひたむきな誠実さ、一途に誠心を
持つ人物が英雄として存在している。」
本書で扱われる、悲劇の英雄たちは
以下の通りである。
日本武尊、捕鳥部万、有馬皇子、菅原道真
源義経、楠木正成、天草四郎、大塩平八郎
西郷隆盛、カミカゼ特攻の戦士たち
<訳者あとがきから>
「カミカゼ特攻は、ほとんどの西洋人にとって
愚かしい気違い沙汰の行為であり、理解不能
の謎とされてきた。その謎をここでモリスは
解明してみせる。
あの若者たちの心情を、その歴史の条件と
いう視野の中に置いて見せて、初めて西洋
の読者に納得させる。のみならず、ここで
ははっきりと目的を持って死んだ若者たち
の生涯を美しく輝かしく見せている。
それは西洋の読者にとって初めてのこと
だった。」
「高貴なる敗北」は、特攻隊員の歌で
締めくくってある。
けふ咲きてあす散る花の我身かな
いかでその香を清くとどめむ
「前途の見通しが暗いときには、
将来の楽しい夢を語ることが肝心だ。」
「私は、人生を本当に楽しんでいる金持ちを
見たことがない。お金は人を幸せにしない。
それが私の結論だ。」
<モラルの低下、親の子供への接し方>
「・・どうも何か日本全体、モラルというものが
欠けつつあると思います。「自分はサラリーマン
だから仕方がない、自分は勤めてるんだから、会
社に言われれば、その通りにやるしかないんだ」
と言ってしまえば、確かにそうなんですけれども
、・・・でも問題はその時に、それによって自分
自身が苦しんでいるかどうかということなのです。
「会社に言われているんだからいいんだ、俺のせ
いじゃないんだ」という態度でいるのか、「本当
はやりたくないんだ、本当はこんなことしちゃい
けないんだ」」と苦しむかどうかが大切なことだ
と思うのです。
そして、そういう苦しんでいる姿こそが、親の子
供への接し方として大切なのです。
<特別なことは何もない>
「作品を書くために何か特別なことをする必
要はまったくない。むしろ一日一日の歩みの
なか、刻々の時間の移りのなかで、自分が本
当に生きていることをつかんでいるかという
ことのほうが大事だと思います。」
「ものを書くうえで大事なことは、知識では
まったくない。あなた方がものを書くのに必
要なものはすべてもうあなた方のなかにある
んです。」
「「蘆花(徳富蘆花とくとみろか)」全集」
はぜんぶ読んで、何冊かはくりかえし読み
ました。・・・あと漱石、鴎外を読み、さ
らには正岡子規の「墨汁一滴」などを読む
ことで、小説・随筆を読むたのしみ以上に、
明治人の心というものが身近になりました。」
「軍服耳時代二年間のあいだに、岩波文庫の
「万葉集」をくりかえし読みました。」
<実践の常識>
「意外に思われるかもしれませんが、
プロの棋士でも先を見通して指して
いることは非常に少ないのです。
実は、プロの集まりの時に。「実践
で、進行する十手先の局面を想定す
ることができるか?」と話題になった
のですが、「できない」ということで
一致したのです。」
2 しないではいられないことをし続けなさい。
打ち込めることを探すには、好奇心を
大事にしましょう。好奇心がわき起こったら、
とことん熱中してみる。そうすると、
「しないではいられないこと」が姿を現して
きます。
3 他人との比較ではない、あくまで自分の楽し
みを追求すべし。
古今東西の奇人変人を研究した結果、
彼等には幸福な人が多いことが解り
ました。
4 好きの力を信じる。
売れなかった時代でも、原稿料の大半は、
漫画の筋を考えるのに役に立ちそうな本
とか、妖怪の作画のための資料とかを買
い込むのに使っていました。
5 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
ただただ、努力するのです。そうです、
好きな道なのですから。
6 怠け者になりなさい。
若いときは怠けてはだめです!
中年を過ぎたら、愉快に怠けるクセを
つけるべきです。
7 目に見えない世界を信じる。
目にみえないものがいると思うと、
私の心は妙に落ち着き、気持ちが
和み、元気に幸せになります。
人間とは何か、死とは何か、人生とは何か。
五尺の小躯でいくら考えてもわからない。解くことは出来ない。
煩悶、遂に死を決した。
滝壺の上に立ったとき、
何等の不安あることなし。
初めて知る、大いなる悲観は、
大いなる楽観と一致することを。