神(芥川竜之介)
「あらゆる神の属性中、最も神のために同情するのは神には自殺のできないことである。」 Comments Off
「結婚は性欲を調節することには有効である。
が、恋愛を調節することには有効ではない。」
「健全なる理性は命令している。–「なんじ、
女人に近づくなかれ」」
「女人は我々男子には正に人生そのものである。
すなわち諸悪の根源である。」
「わたしはどんなに愛していた女とでも一時間
以上話しているのは退屈だった。」
<書いているときの気持ち>
「書いているときの心もちを言うと、こしらえて
いるという気より、育てているという気がする。
人間でも事件でも、その本来の動き方はたった
一つしかない。その一つしかないものをそれから
それへと見つけながら書いてゆくという気がする。
一つそれを見つけそこなうと、もうそれより先へ
はすすまれない。」
「文を作らんとするものはいかなる都会人で
あるにしても、その魂の奥底には野蛮人を一人
持っていなければならぬ。」
「紅露を明治の両大家となすは誤れるもまた
はなはだしと言うべし。露伴はただ古今の書
を読み、和漢のことに通ぜるのみ。紅葉の才
に及ぶべからず。文章またはるかに紅葉の下
にあり。」
<結論>
「所詮小説家になりうるものはなり、なり
えざるものはなりえざるべき乎。」