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神(芥川竜之介)

「あらゆる神の属性中、最も神のために同情
するのは神には自殺のできないことである。」

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女(芥川竜之介)

「少女。–どこまで行っても清冽な浅瀬。」

「結婚は性欲を調節することには有効である。
が、恋愛を調節することには有効ではない。」

「健全なる理性は命令している。–「なんじ、
女人に近づくなかれ」」

「女人は我々男子には正に人生そのものである。
すなわち諸悪の根源である。」

「わたしはどんなに愛していた女とでも一時間
以上話しているのは退屈だった。」

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書く(芥川竜之介)

<書くのがつかえたら>
「書くことはずんずん書ける。・・・もしつかえ
れば、手当たり次第、机の上の本をあけて見る。
そうすると、たいてい二頁か三頁読むうちに、書
けるようになってくる。本はなんでも差し支えな
い。子供のときから字引を読む癖があるから、
ディクソンの熟語辞書なんどを読むこともある。」

<書いているときの気持ち>
「書いているときの心もちを言うと、こしらえて
いるという気より、育てているという気がする。
人間でも事件でも、その本来の動き方はたった
一つしかない。その一つしかないものをそれから
それへと見つけながら書いてゆくという気がする。
一つそれを見つけそこなうと、もうそれより先へ
はすすまれない。」

「文を作らんとするものはいかなる都会人で
あるにしても、その魂の奥底には野蛮人を一人
持っていなければならぬ。」

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露伴を評す(芥川竜之介)

漱石、鴎外も一目置いた露伴をこれほど酷評
した文章に初めて遭遇した。

「紅露を明治の両大家となすは誤れるもまた
はなはだしと言うべし。露伴はただ古今の書
を読み、和漢のことに通ぜるのみ。紅葉の才
に及ぶべからず。文章またはるかに紅葉の下
にあり。」

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河童の世界(芥川竜之介)

河童の世界では、メスが必ずオスを追い
かける。学生の河童ラップは悪いメスに
キスされたためにそのクチバシが腐って
しまう。河童の世界で一番盛んな宗教は
「近代教」で、”食って、飲んで、セッ
クスせよ”と教える。

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小説作法(芥川龍之介)

哲学者には小説は書けない、しかし、
哲学をかじらないでは、ろくな小説
は書けない。
<哲学を遠ざけよ>
「小説家たらんとするものは常に哲学的、
自然科学的、経済科学的思想に反応する
ことを警戒すべし。
いかなる思想ないし理論も人間獣の依然
たる限りは人間獣の一生を支配する能わず。」

<結論>
「所詮小説家になりうるものはなり、なり
えざるものはなりえざるべき乎。」

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