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皇室と漱石

「明治42年の日記で、皇室が主催する能の会へ
出向いた時のものが、ある。
そこで漱石は、特別席でタバコをくゆらせていた
皇太子に、ひどく憤慨している。
一般席が禁煙だったので、不公平だろ怒ったのだ。
さらにキセルにタバコをつめるのを従者にやらせて
いるのを見て「そのぐらい自分でやれっ!」と、
日記に怒りをぶちまげている。」

「また、明治天皇危篤の報が流れ、江戸っ子たちが
例年楽しみにしていた「川開き」が中止となった時
の日記では、「当て込んでいた商売人が困るではな
いか。川開きをやめれば天皇が回復するという
わけでもなかろうに!」と、怒り心頭である。」

「これらの日記は、戦前発行の岩波書店刊「漱石全集」
では、カットされている。」

「明治天皇崩御の時、漱石は一人自室で、皇居に
向かい深々と頭を下げたという。」
(森本哲郎「20分でわかる「夏目漱石」)

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