好きな女性
知的な女性をコテンパンに非難する三島氏にとって魅力ある知的な女性とは、「贅沢と遊びに熱中
する女性」である。
三十前の男の女性観察としては、実に奥深い。
<何も考えない人>
「一癖ありげな女性というものは、やっぱり魅力
のあるものである。何を考えているのかわからな
い。ということが、もっとも私の弱点にひびく魅
力である。何を考えているのかわからない。とい
う風に見えるのは、往々、何も考えていないし、
習慣として何も考えない。ということでもあるが、
われわれ精神労働者にとっては、何も考えない人
間ほど神秘的にみえるものはないであろう。」
<贅沢と遊びに熱中する女性>
「こんな次第で、私の好きな女性の型(タイプ)
は白痴に近づくが、まるっきり白痴というのも
メガニズムがあらわに見えておもしろくない。
・・・教養もあり頭もよい女性のなかで、私の
心を惹く例外は、全力をあげて贅沢と遊びとに
熱中し、頭の中の知識のことなどは、おくびに
も出さない女性である。
こういう女性となら、戦いが成立する。
大へんに頭の要るゲームが成立する。」