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厳頭之感(藤村 操)

悠々たるかな天壌(かなてんじょう)
遼々(りょうりょう)たるかな古今
五尺の小躯(しょうく)を以って
此の大をはからんとす
ホレーショウの哲学
ついに何等のオーソリテーを
価するものぞ
万有の真相は唯一言にして尽くす
曰く「不可解」
吾れ此の恨みを懐いて
煩悶終に死を決す
既に厳頭に立つに及んで
胸中何等の不安あるなし
初めて知る
大いなる悲観は
大いなる楽観と一致することになるを
万有の真相は唯一言にて尽くす
曰く不可解

人間とは何か、死とは何か、人生とは何か。
五尺の小躯でいくら考えてもわからない。解くことは出来ない。
煩悶、遂に死を決した。
滝壺の上に立ったとき、
何等の不安あることなし。
初めて知る、大いなる悲観は、
大いなる楽観と一致することを。

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