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私の理想(ニーチェ)

「私の理想は、目障りにならぬような独立性、
それとわからぬ静かな誇り、つまり、他人の
名誉や喜びと競合せず、嘲弄にも耐えること
によって得られる、まったく他人に負い目の
ない誇りである。
このような理想が、私の日常の習慣を高貴な
ものにせねばならぬ。

低俗にならず、交際は欠かさず、欲はもたず、
静かに努力し、高く飛翔する。
自分自身のことは簡素で、つつましく、他人
にはやさしく。安眠と、軽やかな足取り、酒
は飲まず、王侯貴顕の輩とは付き合わず、女
と新聞に無関心、名誉を求めず、交際は最高
の精神の持主と、時折、下層の民衆(彼らは、
強靭で元気な植物を見るのと同じように、必
要である)に限り、ありきたりの食事で満足
し、意地汚く舌鼓を打つような連中の群れに
入らぬこと。食事はできれば自分でつくるの
がいいが、出来合いのものでもいい。」
(「遺された断想」)

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